大学の教員・職員へのみち

医療系大学の人事が見た教員・職員になれる人、なれない人

看護系大学の懐事情

1/3の大学に看護学部など看護師養成コースがあるくらい花盛りの看護だが、その学部もしくは学科の懐事情を気にしている人は多くないだろう。

 

これだけ花盛りなのだから、懐も暖かいと思う人の方が多いだろうが、そうではない。特に看護だけしかない単科大学はおそらく火の車である。

 

なぜか。

 

理由は人件費である。

 

看護は他の医療系学科(医学部は除く)に比べて教員数が多い。感覚的は、同じ定員数だとすると、倍くらいのイメージだ。

 

これに輪をかけて給与が高い。

 

つまり、めちゃめちゃ人件費比率が高いのである。

 

教員の人件費だけで、4割超える大学もあると思う。これに事務の人件費が加わると、最悪5割を超える大学もあるだろう。

 

これらの他に、一般の会社でいうところの販管費などが計上される。

 

利益がほとんど出ない状況に落ちっている大学が多いはずである。

 

利益が出ないと、どうなるかというと、将来的な設備投資への余力がなくなるということなので、だんだんとシャビーになっていく。そんな大学は魅力がなくなるので学生が集まらなくなる、というスパイラルに陥る。

 

どうすればいいか。

 

大学として人件費を削るしかないので、次の対策を打つことになる。

・教員の個別の給与ベースを抑える

・教員の給与が抑えられないなら、人数を減らす

・給与も人数も減らせないなら事務の給与や人数を減らす

 

他にも非常勤講師の採用を抑制するという手段もあるが、削減効果は対してない。常勤に手をつけないと抜本的な改善には結びつかない。

 

看護系大学の人気が落ち始める兆しが見える中、教員や教員を目指す人は大学の懐事情を推測したほうがいい。少なくとも自分たちは赤字になりやすい学部・学科なのだと認識したほうがいい。