大学の教員・職員へのみち

医療系大学の人事が見た教員・職員になれる人、なれない人

自分の専門領域に関する学科がない大学に勤めるとはどういうことか

医療系大学の状況などを書いている関係上、医療系大学における状況で書いてみたい。多くの場合、他の大学でも当てはまると思う。

 

例えば、フランス語など第2外国語を専門とする教員が医療系大学に常勤で勤めたらどうなるか。

 

その大学では本当に必要な教員ではない可能性がある。医療系大学の場合、本当に必要なのは、医師であったり、看護師であったりするからで、それ以外のいわゆる一般教養科目を担当する教員はいてもいなくても良い教員である。通常なら非常勤講師で十分という判断になるはずだ。

 

だが、何故だか常勤で採用される場合がある。大学の諸事情によるので、この際理由なんかどうでもいいが、一つ言えるのは大学の諸事情で採用されたのだから、諸事情によって不要とされる可能性があるということだ。

 

本来必要でないのだから、方針が変わることは当たり前である。

 

だが、いったん常勤で採用されてしまうと、目が曇るようで、大学にとって必要な教員と同等の権利を主張する教員が出てくる。ここが悲劇なのだが、本来自分が必要でないことを忘れてしまうのだ。こうなると大学とトラブルになる道を突き進むことになる。

 

なぜ私はあの人(必要とされる専門の教員)に比べて、昇格ができないのか、なぜ昇給が少ないのか、なぜ…

 

こうした不満は、よくある不満だが、雇っている大学からしてみれば、本来不要なので、何を言っているんだ?となる。そこまでいうなら、自分の専門の学科がある大学へ行けばいいじゃないか、ということになる。自分の専門の学科があるところでは採用されないから、うちに来ているんだろう?何贅沢なことを言っているんだ、こっちは非常勤講師で構えないのを、あえて雇っているのだから分をわきまえろ、ということでもある。

 

つまり、自分の専門の学科がない大学に勤めるということは、常に立ち位置を確認し、その大学にとって有用だと思ってもらうように立ち振舞わなければならないということである。勘違いをしてはいけないのである。