大学の教員・職員へのみち

医療系大学の人事が見た教員・職員になれる人、なれない人

東京医科大学の不祥事で新体制はどうなるのだろうか

辞任は予想通りだったが…

今回の東京医大の不祥事は、 理事長と学長の辞任ということになった。

 

これは予想通りではあったが、辞任は週末の土曜日、 日曜日だろうと思っていたので、 金曜日での辞任というのは早かったという印象である。

 

経営側のトップである理事長と、 学事側のトップである学長が同時に辞めるということは、 大学としてみた場合は有り得ない事態なので、 大混乱になっていることは想像に難くない。

 

最悪のケース

金曜日の辞任に、 理事長と学長に思惑が有ったのか無かったのかによって、 今後のシナリオが大きく変わっていくと思っている。

 

影響力を残したいという思惑があるのなら、この土曜日、 日曜日に画策に動いて、週明けの9日には理事長派の新理事長選出 の方向での調整が終わっている可能性がある。

 

だが、これは最悪のケースだと思っている。

 

密室で決めた、とマスコミの格好の餌食となるからである。

 

結果的には、理事長派の新理事長の選出は出来ずに、 理事長は完全に影響力を失うことになる。

 

また、大学経営側の体質も叩かれることになって、 大学のブランドイメージもマイナスである。

 

学長選についても同様である。 影響力を残したいという思惑があって、 学長が画策に動いていたら、同じような事態に陥るだろう。

 

まぁ、こうなった方が、マスコミ的にはうれしいだろうし、 マスコミとしてはそう願っているに違いないのだが…。

 

外部から迎えるしかないが…

大学の今後を考えた場合、ベストなのは時間がかかっても、 理事長専攻と学長選考を完全オープンにするのがいい。

 

そして、理事長は外部から迎え入れるという一択しかない。

 

現・ 医学科長や現・3病院長からの昇格は止めた方がいい。 学長も同様に、外部から迎え入れるという一択しかない。

 

現体制下にいた者が、大学の膿を吐き出して、 大学をクリーンにするというのは、世間的に納得させにくい。

 

実際にやれる能力を持っている人だったとしてもである。

 

ここは、経営側の体制と、学事側の体制を刷新して、 文字通り1からのやり直しをするのが東京医大のためになると思う 。

 

新たに理事長の選出が終わったら、現・理事の刷新を行い、 同様に、新しい学長の選出が終わったら、 学事系の体制刷新を行うのが良い。

 

…良いが、できないだろう。

 

魑魅魍魎の医学部

これから理事長選、学長選が行われるが、 どういう方法を採用するのだろうか。

 

さまざまな思惑がうごめき始めているはずで、 どのような結末を迎えるのだろうか。

 

東京医大の不祥事が続いているので、 これを機に名門校としての威厳を取り戻せることを期待したい。

 

茨城医療センターが行政処分保険指定取り消しとなったのが、2012年12月、当初5年が地域医療へ与える影響の大きさから、2013年3月から保険医療機関に再指定された。

 

この不祥事を乗り越えようとした矢先の新たな不祥事で、 大学としては大変な痛手を負った事になる。

 

今回の危機を切り抜け方によっては、傷口を広げ、 大学ブランドを失墜しかねない。

 

だが、医学部は伏魔殿である。魑魅魍魎のうごめく世界で、 どのような駆け引きが始まっているのか…。

 

※ 不祥事をトップの2人が認め、表面的には落ち着いているように見るので、大学にとっては良かった。