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大学の教員・職員へのみち

医療系大学の人事が見た教員・職員になれる人、なれない人

医療系大学の中で看護系教員になるのが最も簡単だ。なぜならバブルだからだ。

看護系大学の教員になるのは簡単

医療系の大学の中でも、いや、全大学の中でも、最も簡単に大学教員になるれるのは「看護系」の大学教員である。

 

 

まず、大学の教員になるのであれば、知っていて当然のサイトJREC-INで、看護系の公募を調べてみればいい。

他の学際領域・学問領域に比べて圧倒的に求人が多い。

 

JREC-IN

https://jrecin.jst.go.jp/

求人が多いということは、それだけ人が足りないということであり、人が足りないということは、なりやすい、ということである。

 

なぜ、看護系大学の教員になり易いか

 

理由は簡単である。

どんどん看護系大学の新設・増設が行われているが、そのペースに比して、大学教員になれる人材が乏しいためである。

 

毎年のように、看護系の大学・学部・学科が開設されている。

このペースは今後遅くなくなっていく可能性はあるが、流れとしては、3年制教育から4年制教育へ移行している最中なので、数年間はこのペースが続く。

つまり、短大や専門学校から大学への昇格が続くのである。

専門学校からの昇格という点でいえば、国立病院機構の附属看護専門学校を筆頭に、公的な病院の附属看護専門学校の4年制化というのが進んでいるので、これがひと段落するまでは、看護系の大学・学部・学科は続くだろう。

 

それに比べて、大学の教員の資質を有している教員は少ない。専門学校から4年制へ、短大から4年制へ移行する際の最大のネックが、この点にある。

修士、博士を有していない者が多く、もしくは有していても研究業績が少なく、文科省の設置認可・届出に耐えられない者が多いのだ。

逆に、ちょっとでも資格を有してれば、どんな人物でも教員になれてしまうのが、今の看護系大学の教員の実態である。

 

例えば、下記を見てみたらいい。

『看護大学・専門学校受験ナビ』

www.kanngogakkou.com

 

2017年度、看護学科の新増設大学一覧

www.kanngogakkou.com

2018年度、看護学科の新増設大学一覧

www.kanngogakkou.com

2019年度以降、開設時期未定の看護学科の新増設大学一覧

www.kanngogakkou.com

 

教授以上の実態

特に学部長、学科長レベルは壊滅的に人材が足りない。

70歳を超えては当たり前、80歳近くの学部長・学科長が当たり前のようにいるのが、看護系大学の実態である。

この世代について言えば、現在とは真逆で4年制の看護大学が少なかったため、修士・博士を有している者がきわめて少ないという事情による。

 

経歴が載っていれば、すぐにわかるが、聖路加看護大学(現・聖路加国際大学)、高知女子大学(現・高知県立大学)を筆頭に、東京大学千葉大学というわずかな大学出身者が多い。これらの大学は、看護系の中では歴史があり、名門といわれる大学で、そうした大学出身者が、多くの大学の学部長・学科長を務めている。

この世代についていは、かなり特殊な事情によるが、教授クラスまでは似たような事情が続いており、4年制大学出身者が少ない。

多くは専門学校を卒業して、大学院に進学(もしくは、そのまえに放送大学で学士を取得してから)して、修士・博士を取得してから大学教員になっている者が多い。

 

教授になるには

年齢の若い教授も出始めているが、そうした教授は博士号を取得しており、それなりの研究業績を有している者がほとんどである。論文数でいえば、30以上はある者がざらである。もっとも、査読有無は問わず、筆頭者とかも問わないでカウントしてだが…

もちろん、5年以上の臨床経験を積んでのことであるのは言うまでもない。

 

年齢の若い(看護の世界でいえば50歳代半ばまで)方が、看護系大学の教授になりたいなら、一つの領域(老年看護など)で長い臨床経験を有しており、多少の非常勤講師歴があり、博士号(修士号でも、まぁ、なんとか)を有していれば、かなり有望である。

 

また、すでに大学で勤務経験があって、助教以上のポジションに就いたことがあれば、これも有望である。もちろん、博士号があればだが、助教→教授というのは夢ではない。実際にそうしてれいは枚挙にいとまがない。

 

それよりも、さらに有望なのが、全国的に人材の少ない領域を専門としている場合である。具体的には「小児看護学」「精神看護学である。この領域を専門としていれば、引く手あまたである。

 

ただ、50歳代半ばに関していえば、総じて修士以上を持っていて、10年以上の臨床歴があれば、数年で教授になれる可能性がある。

 やり方は比較的簡単。まずはどこでもいいから教育歴をつくる。専門学校からのスタートでも構わない。短大からのスタートが切れればベターである。大学の助教クラスからならなおさらいい。

数年単位で、他の大学の公募へ応募していく。応募時点で、今のポジションより一つ上で応募する。比較的通りやすい。これを繰り返すと、教授になれてしまう。

 

理由は上記で述べたとおり。人がどこの大学でも足りない。

既に教育歴があれば、大目に見てもらえるのが、看護の世界である。

 

准教授・講師になるなら

大ざっぱな傾向は教授までと一緒である。

ただ、講師クラスとなると、競争が少し厳しくなる。というのは、このポジションであれば、30代後半から40代の主戦場だろうから、この世代となれば、大学の数も増えており、学位を有している者も多くなる。

ただ、それでも他の学際領域や学問領域に比べると、圧倒的に教員になり易いというのは変わらない。

 

方法論は教授の時と同じ。まずは、どこでもいいから教育歴をつけ、応募でステップアップを繰り返していくだけ。短期間で上の職位へ昇格するのは珍しくない。教授と一緒で「渡り」が多いポジションである。

助教・助手になるなら

このポジションは主として20代から30代前半が主戦場。

この世代以降が、看護教育の底上げを担うことになる。レベルの高い者が増えてくる世代なので、これまでとは様相が異なってくる。

単に教育歴をつければいいということはなくなってくる。とはいえ、現状ではそれほどかわらないので、教員になりたいだけなら、どこでもいいからスタートしてしまえばいい。ただ、この世代であれば、4年制大学を卒業して修士まで取得している方がいい。

この世代は4年制大学卒業生が圧倒的に多くなるので、学歴でのハンディを克服しておきたい。

とはいえ、この世代も他の学際領域や学問領域に比べると、圧倒的に教員になり易い。

4年制大学を卒業して、修士に進学して、臨床経験を5年積みさえすれば、教員になれる可能性は極めて高い。臨床経験積みながら修士をとることもできるので、さらに簡単である。場合によっては3年程度で教員になっている者もいる。

とはいえ、今はバブル。バブルは必ずはじける。

どのポジションも大学教員になり易いのが看護系大学であるが、あくまで「バブル」だから教員になり易いだけである。

バブルは必ずはじける。これについては別に書く機会があれば書きたい。